職業訓練の公的証明/フリーターなど就職円滑化
政府は7月24日、職業訓練の履歴などを記載した証明書を発行し、フリーターや母子家庭の母などの求職を円滑化する「ジョブ・カード制度」を
2008年度から開始することを正式に発表しました。安倍政権が掲げている「成長力底上げ構想」の目玉です。
新制度は、アルバイトやパートなどの勤務歴が長く、企業の職業訓練を受ける機会に恵まれなかった層の職業能力向上を目的とし、導入後5年間で約40万人の訓練参加を目指しています。導入に向け、民間の有識者で構成する政府のジョブ・カード構想委員会(委員長・森下洋一松下電器産業相談役)が議論を重ね、このほど中間報告を大田弘子経済財政担当相に提出。大田経財相も「社会全体で通用する実践的な訓練制度が初めてできる」と期待をかけています。中間報告を踏まえ、年内に詳細設計をまとめる計画です。
「ジョブ・カード」とは企業が一定期間、フリーターなどを雇用しながら職業訓練を行った後、ハローワークなど公的機関が訓練実績や資格を記載した証明書の総称。カードと呼んでいますが、実際のイメージは、職務経歴書や、訓練実習を指す「職業能力ジョブ・プログラム」の経歴書、評価シート、資格の取得状況などを一冊のファイルにまとめたものを指します。
例えば、フリーターなどがジョブ・カードを取得したい場合、ハローワークやジョブカフェなどにいるキャリア・コンサルタントに相談した上で、一定期間、希望する職種の企業での実習や教育機関での座学を受け、受講先の評価を受けた後、ジョブ・カードが交付されます。利用者は、訓練を受けた企業に正式採用される場合もありますが、自分に合わないとなれば、再度キャリア・コンサルタントに相談し、ジョブ・カードを利用して他企業へ就職することも可能となります。
また、訓練期間中に生活資金に困ってしまうフリーターなどもいると想定し、生活資金の低利融資制度も合わせて創設し、対象となる低所得者層が参加しやすい工夫も図っています。従来、学費の融資制度などはありましたが、生活費を融資し、就職が決まった後に返済する仕組みは初めてです。
ただ、訓練を受け入れる企業をどこまで確保できるかは未知数。また、企業と受講者の希望が一致して初めて訓練がスタートするため、キャリア・コンサルタントを含め両者の調整機能をどう構築するか、などが課題となっています。
